【Q&A】学校の課題で作る模型はリアルすぎるとダメですか?

テコです。Youtube動画チャンネル「建築模型の作り方ラジオ」に寄せられた質問にお応えしましたのでシェアしたいと思います。

結論:もちろんOKです

質問の内容は「建築の学校の課題で提出する模型はリアルすぎるとだめですか」ということだったんですけれども、結論からお話しすると、どちらでもOK。ただ、伝えたいことが伝わっていることが前提だとは思います。

そこで、2つ事例を上げてリアルな色付き模型と簡素な白い模型を比較してみたいと思います。

事例:家造りのミーティング

1つ目の事例です。新築計画中のご家族との初ミーティングに模型を持って行ったとします。その時に

  • 色付きのリアルな模型
  • 白い簡素な模型

のどちらを持っていくのかというところでご家族の反応、さらには家づくりに大きな違いが生まれます。

カラー模型をいきなり提示されると・・・
カラー模型をいきなり提示されると・・・

なぜ建築家は白模型を使うのか

建築には詳しくない一般の方々が色つきの模型を見ると、もうそれが完成するものだと思い込んでしまうことが多いんです。目の当たりにしたカラー模型の印象に脳が洗脳されて創造力や想像力を停止してしまうからなんですよね。

有名な建築家がなぜ白い模型をドンドン作るのかと言うと、その空間がどういうものなのかをクライアント(お施主さんやそのご家族)にも理解してもらうため。色でも素材でもなく空間。フォーカスするところを間違えないためにも白い模型を持っていくんです。

白い模型での建築ミーティング
白い模型での建築ミーティング(イメージ)

要するに、想像できる環境かできない環境かは、模型に色がついてるかついてないかということとほぼイコールのようなことだと思ってもらえると良いのかなとも思います。もちろん、建築家によっては色や素材から入る方もいらっしゃるかもしれませんから、必ずしもどれが正解というわけではありません。

初めての家づくりを左右する模型

初めて家を建てる人が白い模型を見ると、そこで自分たちの暮らしを想像し始めます。その家が本当に建っても良いものかどうかをライフスタイルに当てはめて結論付けていくんですね。そういった意味で色模型を使うのか白模型を使うのかという違いは家づくりを大きく左右するものでもあると言えます。

初めての家づくりミーティング
初期の家づくりミーティングでは白模型が理想

事例:ツールをうまく使い分ける

次の事例はプレゼンツールについてのお話です。

模型を作って提案するだけがプレゼン方法じゃないことは学生の皆さんもお気づきだと思います。建築学生さんは A 2やA1といった大きめのサイズの紙に提案をまとめて学校に提出する課題が沢山あります。そのプレゼン資料とは別に「模型も作って持って来なさい」という指示も時にあると思います。もし模型の作り方に細かい規定がなければ、 CG でリアルなパース画を描いて模型で抽象的な立体物を提出することも一つの表現方法としてありですよね。白い模型でしかもボリュームだけを表現したり、あるいは部分的な模型だけを製作したり、一部コンセプトカラーをつけた印象的な模型を持って行くのも良いでしょう。

一色だけカラーを付ける模型も印象的です
一色だけカラーを付ける模型も印象的です

まとめ

プレゼンツールの良いところをうまく取り入れると自分の設計を伝える表現の幅が広がります。自分の設計趣旨にフォーカスすること。そして、伝えたい内容が伝わるために数多あるプレゼンツールの中からどれを選びどう組み合わせるか。無限のプレゼン方法がある中から自分なりの方法を見つけられるようになると、卒業する頃にはかなりのスキルを身につけていることと思います。

もちろん、私たちは世界中の優れたプレゼン資料を比較的簡単に手に入れることもできます。その資料を真似てみるのも楽しいし大いに勉強になります。真似ることは悪いことではありません。優れたスキルを身につけるまっとうな方法です。

模型の作り方も正誤はありません。自分らしさを導き出していければ良いんじゃないかなと思います。