【豆知識】住宅模型を 3Dプリンターで作るのもアリ!?今後どう使われる?

管理人テコです。 ※2021年7月1日更新

※3Dプリンター購入記事はこちら!
 記事作成日:2020.06.15

ニュース番組である高校の学園祭を特集していました。Facebookが下火の中、人気が続いているInstagram(インスタ映え)を全面に押し出して展示ルームの壁面を作り上げていました。カラフルに飾られていた大きな壁面がとても印象的でした^^。そんな中、工業系の高校なだけあって、最近話題にもなる3Dプリンター実演のコーナーもありました。徐々に一般的になってきたこの3Dプリンタは、もちろん建築模型の世界でも活用され始めています。今回は、私たちの日常に増えつつある3Dプリンターによる住宅模型の使用用途についてお話します。

進化し続ける3Dプリンター


高校や大学の授業にも取り入れられ始めた3Dプリンターによる造形。建築模型でいうとこんな感じの模型が一般には見られるようになったのではないでしょうか。出力機自体が数百万円するような高価なものです。

2012年頃の3Dプリンター製住宅模型
2012年頃の3Dプリンター製住宅模型S=1/100

2014年頃には、テコも3Dプリンターが比較的身近にありました。といっても、所有していたのではなく、使わせてもらったり、知り合いに3Dプリンターで出力してもらったりでしたが^^;。

当時、3Dプリンターの精度はそこそこでした。3Dプリンターは、いくつかの出力方法がありますが、その中でも主流だったのが積層タイプのもの。ちゃんと材料がニョロニョロとノズルから出てくるかどうかといったメンテナンスが当時は大変でした。から、生半可(なテコ)ではちょっとまだ敷居が高かったんですね。とはいえ、価格も下がり、精度も格段に向上した最近の3Dプリンターは手軽なものになりつつあります。時代は進みますなぁ・・・

手作り模型は今も愛されツール

ところが、そんな進化し続ける3Dプリンターでできた住宅模型、精度も良くなり表現力も出てきたのですが、追いつかない部分はまだ結構あるんです。


例えば”仕上げ”

光造形タイプの3Dプリンターでもサポート材が必要
光造形タイプの3Dプリンターでもサポート材が必要

皆さん「機械が作ってくれるだけでしょ?」と思われているようです。確かに、成果物に人が手を加えるところは少ないでしょう。ですが、実際には3D出力されたものをそのまま成果品としてお客様に渡せるものはほとんどありません。プラモデルを良く作っていた方なら、部品を一つ一つ取り外して”バリ”を取ったり”ムラ”を整える作業があったことを思い出してください。積層タイプのものに限らず、形状を支えるための”支え=バリ”部分があるので、その部分を取り除いてきれいにするんですね。


例えば”データ化”

3Dデータがなくては機械も動きません。最近の一般3Dソフトは扱いが簡単でデータ変換も楽なようですが、やはり最終チェックは人の手だそうです。チェックを入れないと細すぎる手すりやシステム上無理な形状が変にプリントされるなどします。その一部を直すためにまた最初から全体プリントすることになることも。正常に打ち出し(印刷)できるかチェックしなければあり得ない3次元出力をすることもあるんですね。


例えば”手作り感”

どうしても機会が太刀打ちできない部分があります。人が作ったもののもつ手づくり感です。どんなに技術が進歩しても、心のどこかで手間暇掛けたものの価値を手作り感で感じるんでしょうか。同じものを何個もきれいに仕上げる機械とは違った、同じものでも1つ1つ何かが違う手作りに人は価値を感じるんですね。

手づくりの住宅白模型S=1/50
手づくりの住宅白模型S=1/50

3Dプリンターの最適な使い方

ランシーの教会堂:かまぼこ上の屋根は3Dプリンター製
ランシーの教会堂:かまぼこ上の屋根は3Dプリンター製

以前、教会堂の屋根だけを3Dプリンターで製作したことがありました。(建築ミュージアム/東京大学総合研究博物館小石川分館)波打つ屋根が難しく、3Dプリンターで出力しています。(協力会社:有限会社サンダル様)また、外壁の細かい模様はペーパークラフトなどを作る時に活躍するクラフトマシンで出力しています。当時は随分テコらしくない(普段機械を使わないので^^;)仕上がりになった逸品です。

3Dプリント専門の模型職人さんもいらっしゃいますが、もし、住宅模型で使いたいようでしたら全体を出力するのではなく、例えば、浴槽、トイレ、人型、車、キッチン、洗面台などのような備品を出力してストックしておくという使い方が良いかなと思います。理由は意外と簡単で10年前とほとんど変わりません。


出力のサイズが限られる

家庭用3Dプリンターは電気量販店でも売られています。でも、気づかれたでしょうか?なんかかわいいサイズの3Dプリンターばかりなんです。大きくても電子レンジくらい。出力するサイズはというと、私たち模型職人が作る最もポピュラーなサイズのS=1/50(本物のサイズの50分の1)となるとまず作れないんです。分割して打ち出せばいいんですが、実はもう一つ問題があるんです。


出力に時間が掛かりすぎる

握りこぶしのものでも数時間かかったり、細かい造形や大きな造形ともなると24時間掛かったりする場合もあります。もし、出力中に停電なんてあったら・・・、悲しすぎます。とはいえ、今の3Dプリンターは停電後の復帰をサポートしているものもあるので購入する時に気を付ければいいのですが。手作りの模型なら作りながら修正を加えることもできるのでその点ではデメリットと言えますよね。

もしかしたら、すでに日用品で打ち出したものがあるなんて方もいらっしゃるかも知れませんね。オンラインで注文できるサービスももう結構ありますし、スマホケースなんて以前からカッコいいものをメルカリに出品している方もいらっしゃいます。

結果、住宅模型は進化した2020年製3Dプリンターだとしても全体を出力するのではなく、部分的な出力のために使うのがコツなんじゃないかと思っています。写真のライオンは3Dプリンターではありません。某マンショングループの模型製作を受注した時、彫刻のように材料を彫ってシリコンで型取りしています。ローテクです^^こんなものを3Dプリンターで打ち出すようにすれば良いんじゃないでしょうか。子供のおもちゃの部品が壊れた時とか、扉の取っ手を可愛くしたい時とか・・・。

おすすめ家庭用3Dプリンター

最後に、テコがこれまでに見た3Dプリンターでお勧めしたいモノをいくつかご紹介します。2014年に見られたメーカーのものがあまり見られなくなったのは競合メーカーがかなり増えたからかと思います。コンパクトなものが増えました。


おすすめは「熱溶解積層方式」

3Dプリンタの方式は5つくらいあって、粉末の吹き付けだったり、液体だったり、積み重ねるものだったり。その中で最もお勧めできるのは家庭用として最も普及している積層タイプ。ノズルから出るフィラメント(材料)を積層していくプリンタです。価格も10万円を切るモノがかなりありますし、もっとも普及しているデータSTL対応でキャリブレーション(水平を出す)機能があるモノが良いです。


ダヴィンチシリーズ

最近最も良く見るXYZプリンティングのダヴィンチシリーズ。miniからproまで数種類が揃っています。価格もそれ相応。ただ、大きなデメリットが全面的な日本語対応ではないこと。それさえクリアすれば選択枠は大きく広がるのですが・・・。(カスタマーサポートは日本語対応のようです)


ニンジャ

国産メーカーが頑張って出した家庭用3Dプリンターです。手軽に始めるにはお勧めです。デメリットとしては、細かい精度が望めず小さいものしか打ち出せないこと。材料がPLA樹脂だけ。ただ、国産という点では安心感ありますよね。


家庭用3Dプリンター

2万円を切る驚異の高コスパ3Dプリンターです。ので、あくまでお楽しみですね。もちろん完全日本語対応^^


amazon最安値の3Dプリンター

あまりに安くてつい購入してしまった3Dプリンターの記事を冒頭紹介させて頂きました。この安さだともう失敗しても壊れても後悔しないほどの玩具的3Dプリンターで、むしろ良い勉強になりました。日本語訳の説明書も一応入っていますが、変な説明書きで悩まされるかと思うので分かりやすく動画にしています。


組み立て式 Ender-3 Pro

ちょっと癖モノの組み立て式3Dプリンター。手づくりが好きな人、機械いじり大好きな人にもってこいです。写真のものは大した組み立てもない簡易組み立て式ですがこの価格で大判印刷もできるので満足度はかなり高いのでは?国産組み立て式も探すと出てきますので探すだけでも楽しい。


番外:光造形方式プリンター

実は最近狙っているんです。光造形方式(STL法)の超格安プリンター。レジンって聞いたことある方多いのではないでしょうか?小物づくりで使ったことのある方も多のでは?光造形方式のプリンターはそのレジンが使われるんです。積層タイプの環境にやさしいタイプも良いのですが、より美しい造形を楽しめるのでは?とチェックしています。停電リカバリ機能付き!

まとめ

ということで、住宅模型には「部分仕様」がオススメです。各家庭に1台導入する時代はまだ先かもしれませんが、壊れた日用品をすぐ捨てるなんてことはこの3Dプリンタでなくなりそうです。壊れたものを再生させるようなことができると、家計の節約にもなりますし、環境にも優しいですね。子供の頃から新時代のものづくりに親しめるというメリットもあります。これからの暮らしに重宝しそうなことは間違いないのではないでしょうか。

椅子の脚につける部品もDプリンターで復元したよ!
住宅白模型職人teco

妄想アパートメントもけるとの住人です。
住宅白模型を製作する職人です。

関連記事