建築模型の作り方でコンペ初心者の勝率が格段に上がるチェック項目4×3

建築模型の作り方に関する知識がまだ初心者レベル、かつ、コンペの経験も浅い時、気合が入り過ぎて忘れてしまいがちな4つの項目があります。各項目を3ポイントに分けて簡潔にまとめました。建築模型にフォーカスしていますので審査員攻略などには触れません。コンペキラーではありませんが、明らかに無駄な努力を省いて勝率を挙げる項目に絞っています。参考にして頂けたら幸いです。

コンセプト

コンペの提案でコンセプトが定まっていないプランは見向きもされません。まずは提案内容の確度を上げましょう。確度が高ければ模型にも落とし込みやすいはずです。次の3つのポイントをチェックしましょう。

テーマからズレない

提案したプランにはコンセプトが存在します。コンペですから出題されたテーマに如何に応えられているかが求められるわけですけど、そもそもコンセプトがテーマからズレていては模型を作っても何の意味もありません。例えば、木がテーマのコンペなら、提案するプランにも木に関して何らかの表現をしているはずです。模型にその表現が可能かどうか検討することはもちろん、テーマからズレないように配慮する必要があります。

要点が一目でわかる

記事を書く時も、動画を作る時も、要点は1つにすることが大切ですし鉄則だとも言われています。欲張って複数の要点を盛り込もうとするとすべてが曇り出して、最終的にコンセプトもつたわらなくなってしまいます。要点が一つに絞られていない模型は観察する人によって各々別の要点を最重要と捉えてしまう危険性もあります。明らかに一目でわかる要点を絞り込むことで模型は威力を発揮します。

1つとは限らない

模型を作る時、1物件に1個の模型しか創らないとは限りません。例えば、「全体像を把握してもらうための模型」と「特に表現が必要な拡大模型」の2個で提案する場合もあります。コンペで模型に細かい規定がない場合はコンセプトに沿って複数作ることも視野に入れると良いでしょう。

運搬方法

誰もが陥る最大のミスとなり得る項目です。最悪、提出すらできなくなってしまいます。前もって次の3点をチェックするようにしましょう。

運搬手段

模型提出が必須のコンペでは、最初から運搬の方法をチェックしておく必要があります。自家用車で事足りるのか、配送業者が必要なのか、いつ必着でいつ発送すれば間に合うのか。もし、運搬手段を考えずに模型作りだけに没頭すると、直前に焦ってしまい運搬手段を間違えれば破損や不達に陥る事態も考えられます。必ず運搬手段を最初に決定しておきましょう。

模型サイズ

コンペで模型サイズが指定される場合もあります。スケールかもしれませんし、模型の3辺のサイズかもしれません。逆に模型サイズに指定がない場合は注意が必要です。その場合は前もって模型のサイズを決めておきましょう。例えば、サイズが大きくなる場合は既製の木製パネルのサイズで決定する手もあります。また、配送業者の可能サイズから導き出す手もあります。

梱包

模型を海外に送る場合は必ず木箱を前もって用意する必要があります。国によっては荷物を蹴ったり、ひどい時には載ることもあるのです。極端な例ではありますが、梱包方法を間違えると模型の破損や配送拒否されることもありますので早い段階から梱包の方法も決めておきましょう。

作り方

ものづくりが好きで子供の頃からハンドメイドが身近だったなら、きっと応用力も付いていますからどんな材料でも模型にできるかもしれません。でも、もし初心者だったなら次の3つを覚えておいてください。

スチレンボード

スチレンボードは建築模型の基本中の基本となる材料です。まずはスチレンボードで基礎的な作り方をマスターすることをおすすめします。時間もスキルもないのに他の素材にチャレンジし失敗するよりスチレンボードの特性を学び表現力を得ることです。スチレンボードに慣れつつ、新素材に対する知識は書籍や実物を見ることで蓄えておきましょう。

近場を押さえる

道具も材料も同様にストックがなくなれば買い足さなければなりません。急な場合もあると思います。そんな時のために道具や材料の購入先情報は常に押さえておくようにしましょう。近くのホームセンター、100円ショップ(100均)、画材屋、鉄道模型店などのチェックと、オンラインショップの品揃えや配送日数をチェックするなどして緊急時に備えます。

道具の吟味

材料選びも重要ですが、道具選びもとても重要です。100均で事足りるモノは大いに利用しましょう。ただし、切れないカッター刃、歪むカッターマット、加工性の悪い素材など、価格に惑わされて失敗するモノも多いですから注意が必要です。効率的に作れるスキルがあっても無駄に時間が掛かってしまうので気を付けましょう。

バランス

何をするにもバランスって大切です。模型を作る時もバランスが取れていないと偏った提案になってしまいます。特に時間は有限ですから次の3つは意識して進めてください。

作るか否か

見えない部分を作り込む意味はほとんどないかと思います。見えない部分の作り込み時間を見せたい部分の作り込み時間に充てることです。よく「手を抜くスキル」とtecoは表現しますが、思い切って手を抜く部分は手を抜いてください。気は抜いてはいけません。思わぬケガや質の低下につながります。

時間配分

模型全体の時間配分だけではありません。コンペすべてに掛かる時間の配分を考えることです。結果の大部分はコンセプトに掛かってきます。そのコンセプトを伝えるための模型にどれだけの時間を費やすのかは状況にもよりますが、少なくともプラン熟考を妨げてしまうような時間配分は避けましょう。

サポーター

必ずしも一人で進めなければならないわけではありません。チーム参加でも、個人参加でもサポーターは必要です。仲間同士で得意な分野のスキルを共有し助け合う環境を持ちましょう。助け合うことでより時間を掛けたい部分に注力することができます。

まとめ

4つの項目と12のポイントはいかがでしたか?

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住宅白模型職人teco

住宅白模型を製作する職人です。
建築模型つながりのコミュニティを形成し「新もけると談話室」でイベント企画・限定動画の公開・チャットなどをしています。

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