管理人テコです。
建築模型職人としてChromebookを購入したのは2020年5月。色んなメリットデメリットが見えてきました。テコがパソコンにそれほど強くないからこそ感じる苦労ばかり体験していてとても勉強になっています。
そこで、今回は模型職人だけじゃなく建築学生さんや建築関係者さんにとってChromebookってどうなの?という点をまとめてみました。
動画でもまとめています
これから「Chromebook購入は建築関係者にとって時期早々な絶対的理由」を文章で説明しますが、動画でサラッと知りたい方は以下の動画をチェックしてください。8分ほどの動画です。
便利ツール:建築系(特に学生)のChromebook購入は時期早々なのでやめよう(無料会員限定)
→ https://mokeruto.jp/movie/20210102/
Chromebookを購入
元々はWindows派で、Macもお仕事で使わざるを得ない場合は使うという程度でした。主にメールのやり取り、図面やデザインデータの表示&編集、メルマガとブログ記事の作成や動画の編集などをやっています。でも、高度なスキルはない至って平凡な一ユーザーでしかありません。
ある時、模型作りを仕事にしたい方から「高価なパソコンも必要ですか?」という趣旨の質問を頂きました。ちょうど10年もののWindowsパソコンもいつ壊れるか分からないような時期でした。安価なChromebookを購入&テストするきっかけとなりました。
下記はテコが愛用している(た?)HPのChromebookと同等スペックのパソコンです。
ドン・キホーテPCも購入
動画では、現役模型職人として模型の作り方だけではなく、職業にしたい時に必要なスキルや考え方や働き方といったこともお伝えできればと常々考えています。パソコンを選択する知識もある程度必要ですので各OSを実際に購入して体験しています。
実は、Chromebookを購入する前に、ドン・キホーテのMUGA2も購入しています。2万円程度で買えるWindows10パソコンです。理由は、10年モノの手持ちパソコンが32bit版で、対応していないソフトがかなり多くなってきたからです。MUGA2や最新のMUGA3(Nobuyoshi Koderaさんの記事へジャンプします)はWindows10の64bit版なのでスペック自体は低いのですが対応ソフトがグンと増えます。
ただ、結論から言うと激安パソコンの類はやはりスペック不足がすぐにやってきます。オススメしません。
Chromebookのメリット5つ
Chromebookのメリットを上げてみます。
本体価格が安い
テコが購入したものは割とハイスペックなほうのChromebookなんですが、それでも安いんですよね。WinsowsやMacのパソコンに比べてかなり安価で購入できます。建築のお仕事ではなかったりプライベートで使いたい方にとっては気軽に始められて良いかもしれません。
スマホのように使える
ショップの店員さんにちゃんと説明を受けながら買う必要がありますが、基本的にスマホのAndroidのようにGooglePlayストアからアプリをインストールして使うことができます。なので、スマホしか使っていなかった人が初めて買うパソコンとして選んでも良いかもしれません。ただし、パソコンの画面上でもスマホのように縦長に表示されてしまうアプリはかなりあります。また、すべてのアプリが対応しているわけではありません。
セキュリティソフト不要
従来のセキュリティソフトは不要ですので新たに購入する必要がありません。量販店の店員さんに詳しく聞いても忘れちゃうくらいちょっと難しいお話ですが、サブスクで毎年掛かるソフトの費用分は節約できそうです。セキュリティ機能が常に最新の状態となるように自動管理されているそうです。ただし、自動更新の有効期限が存在するので購入の際はその期限を必ずチェックしましょう。テコのパソコンの自動更新有効期限は2026年までです。それ以降は更新されませんのでパソコンの新規購入が必要です。
クラウドに強くなる
Chromebookはほとんどのデータをクラウド上に保存します。そのため、殆どの情報はパソコンの中にはなく、クラウドから情報を引っ張ってくることになります。例えば、メールはGmailで済み、すべての情報はパソコンの外部に存在します。更に、インストールしなくてもクラウド上で動くアプリを検索するようになり知識も付きました。
ON/OFFが楽で軽い
古株のWindowsパソコンのハードがSSDになった時には、恐ろしくWindowsの起動が早くなりましたが、その速さにも増して早い起動と軽い動きをしてくれます。オフもももちろん速いです。
Chromebookのデメリット5つ
次は、テコが感じたデメリットを5つピックアップしてみました。
乗り換えが不便
今までWindowsでThunderbirdというメールソフトを使っていました。Chromebookに乗り換えてからはつい最近までこのソフトが使えませんでした。ChromeOSに非対応だったんです。例えば、Gmailだけで仕事もプライベートもこなせればメールアプリは不要です。ですが、これまで独自ドメインのメールアドレスを、使い慣れたソフトで利用していた人にとっては苦痛です。新しく覚えるのはホント面倒です。
周りに相談できる人がいない
忘れがちですが、サポートしてくれる環境もちゃんと用意しておきましょう。テコの義母はChromebookにしたんですが、なんと、近所のパソコン教室に体験で参加した時に、先生が「なにそれ?」という嘘のような本当の返答をしてきたそうです。結果、Windowsパソコンに即買い替えたとか。
Linuxが難しい
第3のOSとして人気が出てきたChromeOSなのですが、結局アプリが非対応だと使えません。先ほど書いた乗り換えのお話の通り、PhotoshopやIllustratorなどを使う方、あるいは、動画編集などされる方には満足いく作業ができないかもしれません。
実は、そんなChromebookにもLinuxベースでインストールして使えるアプリもあります。Linuxって何?という話になりますが、超簡単に言うとOSの一つです。そのLinuxをChromebookの中に構築することができます。WindowsやMacで使っていたソフトがLinuxにも対応していたらこれまで通り使えるということになります。が、素人にはチンプンカンプンなお話だと思い知らされました。メールソフトのThunderbirdも、このLinuxのおかげでやっとインストールできたので独自ドメインのメールアドレスも使えるようになりました。が、必ず上手くインストールできるとは言い難く・・・。きっと日本語対応できないなどで諦める人続出なんだろうなぁ、と想像は難くないのです。
Zoomに冷たい
圧倒的に相談相手がいません。最近はYoutube動画を検索して問題解決したりもできるのですが、Chromebookについてはまだ情報が足りない印象があります。
Googlemeetをよく使う方はChromebookが重宝すると思いますが、Zoomに慣れている方にとっては難儀です。日本語対応していない上に、どうやら今後も使い勝手向上のためには動いてくれないという情報もあります。そうなるとGooglemeet・・・ということでしょうか。
ゲームに弱い
最近はFORTNITE(フォートナイト)やMinecraft(マインクラフト)など、仮想現実の中でのストーリー展開が話題のゲームが人気ですね。ぜひChromebookでも!と思ったりしたのですが、そもそも、スペック(データの処理能力)が追いつかなくてゲームするにもストレスを感じるかもしれません。スペックの高いChromebookを買えば良いんですが、それならWindowsで良くない?になってしまいます。ついでに、2021年末でも未だにインストールが上手くできないという始末・・・。
圧倒的デメリット
さて、今回のテーマ、「Chromebookが建築関係者に向かないと分かった大きな1つの理由」についてです。
結論から言うと、「メジャーな建築系CADが使えない」の1点に尽きます。
冒頭の動画の中でも説明していますが、OSに対応しているか否かで決まります。建築系のお仕事をされている方はまず間違いなくCADが必須です。CADとは、「Computer aided design(コンピュータ支援設計)」の略で設計支援ツールです。建築以外にも土木、機械などで多種多様なソフトが存在します。
このツールが使えないと仕事にならないんですよね。Autocad、Vectorworks、SolidWorks、ARCHITRENDなど有名どころがありますが、残念ながら全て使えません。あのフリーソフトJwCadですら使えないのです。厳密に言えばLinuxに詳しい方ならChromebookでも動かせますが・・・、テコにはできませんでした。素人でもLinuxを導入することは可能ですが、Linuxへ対応ソフトをインストールすることが難しいんです。見落としがちなのが日本語対応できるか否か。関連記事を探してその通り実行してみてもうまくインストールできないなど、専門知識がどうしても必要になります。
結果、テコの場合はJWcadは使用することができませんでした。それどころか、GooglePlayストアのJWcadViewerも立ち上げて表示することまではできても印刷することができなかったんです。
模型職人の場合は?
建築関係者にはChromebookはお勧めできません。が、模型職人を目指す人ならCADが使えなくてもOKですから問題ありません。極端なお話、PDFに変換してもらった図面データをスマホからコンビニのプリンターで打ち出せば模型製作できます。受注、製作、納品まで一貫してスマホでできるわけです。集客としてのSNSももちろんスマホ1つでできますから便利な世の中になったものです。
まとめ
OSにChromebookのChromeOSが加わって選択枠が広がりました。これから教育機関等にもChromebookが使われるようになっていくでしょうし、WindowsやMacとの相性が良くなればさらに多くの人に使われるようになるでしょう。
でも、今のところは建築関係者には時期早々かと思われます。CADさえつかえればいいんですがねぇ。ぜひ購入の際にはお気をつけください。
追記
IJCAD mobileというCADがあります。Jwwのデータも開けるようになりましたが、残念ながら印刷まではできません。惜しいっ!