【スコヤ】建築模型の道具では本来ないので使いづらいですよね・・・の解決策

こんにちは、テコです。

建築模型を始めたい、あるいは学校でやらなければいけない方、スコヤという道具をご存じでしょうか?このスコヤ、実は建築模型のための道具ではないんです。なので、実は知らないと損をすることも。今回は、そんなスコヤの種類や選び方、そしてデメリットを解決する方法もお伝えします。

スコヤの語源と使い道

スコヤってどこの言葉だろうって思いませんか?これ、諸説あるんですが最もシックリいくのが英語の「square(スクウェア)」。真四角とか直角って意味ですね。それが訛ってスコヤになったそうで、和製英語(?)みたいな感じです。

そもそもは大工さんなどがケガキや墨付けの際に、あるいは直角を計るために使う道具です。なので、元々は建築模型のための道具ではありません。

これらはすべてスコヤです。直角で測るためだけのスコヤや、45度でも測れるスコヤ、部材の角度を他の部材に移すためだけの自由スコヤなんてのもあります。

大工さんが木のスコヤを持っていたり
大工さんが木のスコヤを持っていたりもします

建築模型で使われるスコヤ

では建築模型でよく使われるスコヤはどんなものでしょうか?建築模型は住宅の完成予想模型です。ですから、一般的には実物の50分の1や100分の1のサイズで作られます。住宅展示場なんかに行くと良く模型が飾られていますよね。なものですから、道具としては小さいほうが助かります。

テコが所有しているスコヤ

テコが持っているスコヤは右2本の一般的なサイズのモノとそれよりもちょっと小さなモノ。そして、左下にある三角定規もお手製スコヤ。もう何代目なのか分からないくらい自分で使いやすくて作りやすいものに進化させています。後ほど動画(無料会員限定です/すいません)で紹介します。

スコヤのデメリット

建築模型用ではないので、やはりデメリットは結構あります。

余計に重い

スコヤは大体がステンレス製か真鍮製です。直角を計る道具なので簡単に曲がってもらっては困るからです。それに、大工さんにとっては軽すぎるのもやりにくいのかもしれません。しっかり部材に置きたいでしょうから。でも、建築模型製作ではその重さが邪魔だったりします。角が固いので模型にぶつけたらすぐ傷が付きますし。何気に重くて疲れる(テコだけ?)んですよね。

目盛りの位置が悪い

底面から長さを測るか引っ掛けたところから測るか
底面から長さを測るか引っ掛けたところから測るか

模型材料のスチレンボードに引っ掛けて使いますが、写真のように本来の使い方は立てて直角を計ったり底面からの長さを測ったりするんですね。だから、目盛りのスタートはステンレスの一番端っこからとなります。でも、この目盛りの位置って模型製作ではあんまり良くないんです。引っ掛けたところから目盛りが始まって欲しいんですよね。

引っ掛かりが分厚い

この隙間が模型の精度を落としているんです
この隙間が模型の精度を落としているんです

建築現場では引っ掛けて使う時も良くあると思います。しっかりと引っ掛かってくれないと外れたり正確に測れないですし、立てた時にすぐ転んでしまします。なので、目盛りがついていない土台のほうはぶ厚かったりするんです。これが建築模型製作にはあまり向いていないんです。写真のように薄い素材に引っ掛けた時に隙間ができてしまうのが分かりますか?この隙間があるせいでカッターの刃が正確な位置をカットしてくれないんです。

精度が低いモノも

意外に思われますけど、直角すらとれていないスコヤが以前は結構ありました。テコが講師を務めさせて頂いた模型講座用にスコヤを32個購入したことがありました。なんと、その半分以上が厳密には直角ではなかったんです。今はそんなに精度低くないとは思うんですが、一応、皆さんがスコヤを購入する時には三角定規で直角かどうかを確かめたほうが良いかも知れません。

デメリットの解決

ここまでスコヤのお話をしてきて、最もデメリットなことと言ったら、そもそもが建築模型用じゃないってことです。そこで、テコや他の模型屋さんはオリジナルのスコヤを手づくりしていたりします。

100均の三角定規で超万能なスコヤができます
100均の三角定規で超万能なスコヤができます

初代はかなり手の込んだスコヤを作って使っていました。でも、壊れる度に作り直すのがちょっと億劫になっちゃって^^;。で、20年模型を作り続けて見つけた最も簡易で正確で超万能な「なんちゃってスコヤ」を開発(?)しました。

100円ショップの三角定規を良く見ると、角から目盛りが始まっているものがありました。素材は透明のプラスチックで精度もまぁまぁ確保できそう。三角定規の厚みは2mm。そこで、プラスチック同士を接着させる溶剤と3mm角のプラスチック棒を使い、写真のように加工したんです。

これならすべてのデメリットをクリアできますし、ついでに透明なので図面の上でも使える最高のスコヤです。一点だけデメリットを言うと、プラスチック製なのでカッターで削れてしまうこと。慣れていれば何の問題もないのですが、最初のうちは三角定規を削ってしまうかもしれないので注意です。

作り方動画

最後に作り方を紹介している動画がりますのでリンクを張っておきます。ただし、申し訳ないんですが無料会員登録してくださっている方だけの限定動画です。宣伝メールもなければ退会も超簡単なので登録してくださるとメッチャ喜びます(⌒∇⌒)。

住宅白模型職人teco

住宅白模型を製作する職人です。
建築模型つながりのコミュニティを形成し「新もけると談話室」でイベント企画・限定動画の公開・チャットなどをしています。

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